そのために生まれた

人生の転機

あなたも感じたことありませんか?

「私は、何のために、生まれたのだろう」

そう思ったことはありませんか?

多くの人は、人生を、いわば、「自分のレール」の上を走るように、生きています。

学校に行く。就職する。結婚する。子どもを育てる。

そうした社会的な期待の中で、人生を、過ごしていく。

でも、その過程で、ふと、立ち止まるのです。

「これが、本当に、自分の人生なのか」

「自分は、本当に、何がしたいのか」

「自分の人生に、本当の意味があるのか」

特に、人生が、うまくいかない時、そうした問いが、心の中で、大きく、なるのです。

失職した。病気になった。人間関係がうまくいかなかった。

そうした時に、「ああ、自分の人生は、失敗だったのか」と感じるのです。

でも、本当に、そうでしょうか?

もし、人生に、別の目的があるとしたら?

もし、その困難や、その場所が、実は、自分のために、用意されていたとしたら?

もし、そうだとしたら…

人生が、すべて、意味があるとしたら、あなたの人生は、どう見え始めるでしょう?

そして、その目的は、いつ、明かされるのでしょうか?

古い書物の言葉

古代の物語に、こんな話があります。

それは、二千四百年ほど前、ペルシャ帝国の時代の話です。

ユダヤ民族は、祖国を失い、ペルシャに捕虜として、暮らしていました。

その時、一人の女性がいました。エステルという名の、ユダヤ人の女性です。

彼女は、ペルシャの王に気に入られ、王妃となりました。

王妃という地位は、当時、最高の栄誉でした。

王宮で、最も美しい衣装を着る。最も美味しい食事をする。最も大切にされる。

すべてが、与えられました。

ところが、ある日、王の部下である宰相が、悪い策をめぐらせたのです。

国内の少数民族であるユダヤ人を、すべて滅ぼそうというのです。

その悪い策が、王によって、承認されてしまいました。

エステルの民族は、すべて、滅ぼされることになったのです。

その知らせを聞いた、エステルの叔父であるモルデカイは、彼女に、こう言いました。

「エステルよ。黙っていてはいけない。王の前に出て、民族のために、執り成してくれ。」

しかし、エステルは、怖かったのです。

王妃であっても、王の許可なく、王の前に出れば、死刑になるのです。

だから、彼女は、最初、「できません」と答えたのです。

しかし、モルデカイは、こう言いました。

「もし、あなたが、今、黙っていたら、ユダヤ民族は、別のところから、助けられるだろう。だが、あなたの家族も、あなたも、滅びるだろう。もしかして、あなたが、この時のために、王妃の座にいるのではないか。」(エステル4:14)

その言葉が、エステルの心に、深く、響きました。

「そのために、王妃の座にいたのか」

つまり、彼女は、王妃になるための、自分の栄光のために、その地位にあるのではなく、この危機の時に、民族を救うために、その地位にあるのだ、ということなのです。

その時に、初めて、エステルは、自分の人生の目的に、気づいたのです。

その後、エステルは、王に命がけで、民族のために、執り成しました。

そして、奇跡的に、民族は、救われたのです。

その時の彼女の言葉が、有名です。

「私は、死を覚悟で、王の前に出ます。」

つまり、彼女は、自分の命よりも、民族の命を、優先したのです。

その決断が、民族全体を、滅亡から、救ったのです。

そして、興味深いことに、聖書には、その物語の中に、「神」という言葉が、一度も、出てきません。

神の言葉もなく、奇跡もなく、ただ、人間の決断と、行動だけが、描かれています。

だからこそ、より一層、人間の自由意志と、人間の勇気が、浮き彫りになるのです。

エステルは、「自分が、この時のために、この場所にいる」と気づき、その目的を、果たすために、自分の命をかけた。

その決断が、すべてを、変えたのです。

現代への適用

では、この古い物語が、現代の私たちに、何を教えているのでしょう?

それは、「あなたの人生には、目的がある」ということです。

あなたが、今、どこにいるのか。あなたが、今、何をしているのか。

それは、偶然ではなく、実は、あなたの人生の目的が、隠れているのです。

失職したこと。病気になったこと。人間関係がうまくいかなかったこと。

そうした、一見、失敗のように見えることの中に、実は、あなたが、果たすべき目的が、隠れているのです。

では、その目的を、どのように、見つけるのでしょう?

まず、「今、自分は、どこにいるのか」を、認識してください。

その状況は、悪いことのように見えるかもしれません。

でも、「なぜ、自分は、この状況にいるのか」と、問い直してください。

次に、「この状況の中で、自分だけが、できることは、何か」を、考えてください。

エステルだけが、王妃という地位にあったので、彼女だけが、民族を救うことができたのです。

あなたも、あなただけが、その状況の中で、できることがあるはずです。

そして、最後に、「その目的のために、何を、犠牲にするか」を、決めてください。

エステルは、自分の命をかけました。

あなたも、何か、大切なものを、犠牲にする必要があるかもしれません。

でも、その犠牲は、決して、無駄ではなく、誰かの人生を、変えるのです。

私の経験から

私は、63歳で、うつ病により、退職しました。

その時、「ああ、自分の人生は、終わった」と思いました。

若い頃から、仕事に生きてきた。懸命に働いてきた。

それなのに、63歳で、職を失う。

人生が、失敗のように、見えました。

でも、その後、70歳を過ぎて、ボランティアをするようになった時、初めて、気づいたのです。

「ああ、自分は、この時のために、この状況にいるのか」と。

その貧困の経験が、今、多くの人の心に、届いているのです。

その病気の経験が、今、同じような悩みを持つ人に、希望を、与えているのです。

つまり、自分の失敗や、困難は、決して、無駄ではなく、他の人を救うために、必要な経験だったのです。

81歳の今、私は、「自分は、この時のために、この場所にいた」と、心から、確信しています。

あなたへの願い

もし、あなたが、今、人生の目的を、見失っているなら、「自分は、この時のために、この場所にいるのではないか」と、問い直してみてください。

その問い直しの中に、あなたの人生の本当の目的が、隠れているのです。

今日、考えてみてください

あなたは、今、どこにいますか?そして、その場所で、あなただけが、できることは、何ですか?

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