心を新たにする

人生の転機

あなたも感じたことありませんか?

毎日が、同じことの繰り返し。朝起きて、仕事に行って、疲れ果てて帰ってくる。週末も、いつもと同じパターン。人間関係も、職場の空気も、すべてが「いつも通り」で、何かが引っかかったままなのに、変わらない。

「こんな人生で、本当にいいんだろうか」

そう思っても、みんなそうしているから、自分もそうするしかない。世間一般の「当たり前」に自分を合わせていく。給料のために、家族のために、社会的な立場のために。気がつくと、自分が何を望んでいるのか、わからなくなっている。

特に、人間関係の中では顕著です。職場では上司の顔色を見て、家庭では家族の期待に応える。友人関係では「あの人はこういう人だから」という固定化した見方で付き合う。いつの間にか、自分も他人も、決められた枠の中で動いているような感じがします。

「もう、この流れを変えることはできないんじゃないか」

そんな諦めの気持ちが、心の奥底にあるのではないでしょうか?

もし、そうだとしたら…

あなたは、自分の人生を本当に変えたいと思っていますか?

それとも、変わりたいけれど、変わる方法がわからないのでしょうか?

あるいは、変わることが怖いのかもしれません。

古い書物の言葉

古代の知恵の書に、こんな言葉があります。

「この世と調子を合わせてはいけません。むしろ、心を新たにすることによって、自分を変えなさい。」(ローマ12:2)

二千年前に書かれたこの言葉は、今を生きる私たちに、何を語りかけているでしょう?

「この世と調子を合わせてはいけません」というのは、一見すると「世間に逆らえ」という意味に聞こえるかもしれません。でも、もっと深い意味があります。

古代のローマ社会では、世間一般の「当たり前」に従うことが、安全で安心できる道でした。みんなと同じように考え、同じように行動する。そうすることで、社会から排除されず、生き延びることができたのです。

でも、著者パウロが言いたかったのは、そうした「外からの圧力」に従うだけではなく、「自分の内側を見つめ直しなさい」ということです。

「心を新たにすることによって」——これは、単に気持ちを入れ替えるのではなく、「ものの見方を変える」「考え方の枠組みそのものを変える」という意味です。

今まで「当たり前だ」と思っていたことが、本当に自分の人生のためになっているのか。世間一般の期待に応えることが、本当に自分を幸せにしているのか。そうした問いを、もう一度、自分の内側から発してみるということです。

そして「自分を変えなさい」というのは、命令ではなく、「変わることは可能なんだ」という希望の言葉でもあります。人間は、一度決まった道を歩んでいるように見えても、いつでも「心を新たにする」という選択をすることで、人生を変えることができるのです。

それは、今この瞬間からでも、始められるということです。

今、できること

では、具体的に、どうしたらいいでしょう?

まず、小さな疑問から始めてみてください。

「なぜ、私はこうしているのか?」

職場でいつも同じような返事をしている。家庭で同じパターンの会話をしている。友人と会うたびに同じような気持ちになっている。そのとき、一度止まって、問い直してみるのです。

「これは、本当に自分が望んでいることだろうか?」

その答えが「いいえ」であれば、別の選択肢を探してみてください。職場の人間関係で困っているなら、別の接し方をしてみる。人生の進む方向に違和感があるなら、もう一度考え直してみる。

次に、自分の「考え方の枠」を意識してみましょう。

日本社会では、「〜であるべき」「〜が当たり前」という固定化した見方が、とても強いです。年齢相応の行動、職業相応の生き方、家族の役割。そうした枠が、自分の人生を実は制限しているかもしれません。

その枠を、一度外してみる。「もし、こうだったら?」「もし、別の選択をしたら?」と、別の可能性を想像してみるのです。そうすることで、「新たな心」が少しずつ生まれてきます。

そして、小さな行動を起こしてみてください。

新しい考え方は、思考だけでは育ちません。実際に、別の選択をしてみることで、初めて「心が変わった」という実感が生まれます。今まで避けていた行動をしてみる。今まで言わなかった言葉を言ってみる。そうした小さな一歩が、やがて大きな人生の転換につながるのです。

私の経験から

私は、タバコを80本一日吸っていました。若い頃から吸い続け、それが「当たり前」でした。

でも、ある日、末娘が2歳の時、ふっと気がつきました。「これは、自分の『当たり前』であって、本当に自分が望んでいることなのか?」

その時、心を新たにすることにしました。禁煙です。今考えると、それは単なるタバコを止めるということではなく、「自分の人生を、もう一度、自分の意志で選び直す」という決意だったんです。

その経験が、やがて63歳のうつ病、貧困、そして67歳での信仰へと続きました。それぞれの転機で、私は「心を新たにする」という選択をしました。世間の「当たり前」に従うのではなく、自分の内側から声を聞き、新しい道を歩む選択です。

完璧ではありません。今でも、世間の圧力に流されそうになります。でも、一度「心を新たにする」ことの力を知ってしまうと、もう戻ることはできません。人生は、いつでも変えられるんだと、今は心からそう思えます。

あなたへの願い

もし、あなたの人生が「このままでいいのだろうか」と感じているなら、その違和感を大切にしてください。

それは、あなたの内側からの声かもしれません。

心を新たにすることは、勇気がいります。世間の「当たり前」に抵抗することは、簡単ではありません。

でも、あなたの人生は、あなたのものです。

小さな一歩から、始めてみませんか?

今日、考えてみてください

「この世と調子を合わせてはいけない」という言葉を聞いて、あなたの心に何が浮かびますか?もし、あなたが「心を新たにする」としたら、何から始めたいですか?

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