あなたも感じたことありませんか?

人生の転機

人生が揺らぐことってありませんか?

一つの出来事が起きると、すべてが崩れ落ちるような感覚。人間関係が壊れると、仕事へのモチベーションまで失う。給料が下がると、人生全体が無意味に感じる。

「自分は、本当にしっかりしているんだろうか」

「この人生は、本当に大丈夫なんだろうか」

そんな不安が、時々、襲ってくるのではないでしょうか?

特に、日本社会では「安定」を重視します。安定した職業、安定した給料、安定した立場。そうした外側の「安定」を求めることで、人生の基礎が守られていると思い込むのです。

でも、実際には、その「安定」さえが、ある日、突然、失われることもあります。会社の倒産、人間関係のこじれ、予期しない病気。そうした時、多くの人は、初めて気がつくのです。

「あ、私の人生の基礎は、実は、とても弱かったんだ」

と。

もし、そうだとしたら…

人生の真の基礎は、何に基づいているのでしょう?

そして、その基礎をどのように築いたら、揺るがない人生になるのでしょうか?

古い書物の言葉

古代の知恵の書に、こんな物語があります。

「イエスは、二人の男のことを話しました。ある人は、自分の人生の家を岩の上に建てました。雨が降り、川が氾濫し、風が吹いても、その家は倒れませんでした。なぜなら、その基礎が岩の上にあったからです。

一方、別の人は、自分の人生の家を砂の上に建てました。雨が降り、川が氾濫し、風が吹くと、その家は大きく揺れ、やがて倒れてしまいました。」(マタイ7:24-27)

二千年前に語られたこのたとえは、人生の基礎について、私たちに何を教えているのでしょう?

まず注目すべきは、「岩の上」と「砂の上」という二つの基礎です。

岩というのは、固い、動かないもの。大雨が降っても、洪水が起きても、風が吹いても、ビクともしません。それは、自分の人生の根底に、何か揺るがない「価値観」「信念」「人生の目的」がある状態を表しています。

一方、砂というのは、流動的で、移ろいやすいもの。見た目には家が立っているように見えても、少しの力でも崩れ始めます。これは、自分の人生が、その時々の「外側の状況」に依存している状態を表しています。

この物語で面白いのは、「岩の上に建てた人」「砂の上に建てた人」、どちらも「家を建てた」ということです。

つまり、人生を築こうとする努力は、どちらも同じように見えるということです。同じように仕事もし、同じように人間関係も築き、同じように日々を過ごしているのです。

でも、いざ困難が訪れた時——雨が降り、川が氾濫し、風が吹く時——その違いが明らかになるのです。

「雨が降り、川が氾濫し、風が吹く」とは、人生における試練を表しています。人間関係の破綻、仕事での失敗、経済的な困窮、健康の喪失。そうした様々な「人生の嵐」が訪れた時、あなたの人生は大丈夫ですか?ということです。

古代のユダヤ人たちにとって、「岩」というのは、非常に象徴的でした。砂漠の中で、唯一の安定。その「岩」の上に家を建てるというのは、「人生で最も大切なものの上に、自分の人生を築く」という意味なのです。

では、その「人生で最も大切なもの」とは、何なのか?

それは、人それぞれ違うかもしれません。ただ、この物語から言えることは、「その基礎がしっかりしているなら、どんな困難が来ても、揺るがない」ということです。

今、できること

では、あなたの人生は、今、「岩の上」に建っているでしょうか?それとも「砂の上」に建っているでしょうか?

まず、自分に問い直してみてください。

「私の人生の基礎は、何ですか?」

もし、その答えが「給料です」「肩書きです」「誰かの愛です」なら、それは砂の上かもしれません。なぜなら、これらはすべて、外側から与えられるもので、失われる可能性があるからです。

一方、「自分の価値観です」「人を愛することです」「正直に生きることです」「人生の意味を求めることです」——そうした、内側から湧き出る「何か」が基礎になっているなら、それは岩の上かもしれません。

もし、あなたが「砂の上」に建てていることに気がついたなら、今からでも、基礎を作り直すことはできます。

小さなことから始めてください。

毎日、5分でもいいから、自分が「本当に大切にしたいこと」について、考える時間を作る。お金ではなく、何が自分を支えるのか。困難な時、何があれば心が保たれるのか。

その問いに、ゆっくりと、答えを探していく。

次に、その「大切なこと」に、少しずつ、時間と力を割いていく。友人との関係を大切にするなら、時々、連絡を取る。自分の正直さを大切にするなら、誘惑に抵抗してでも、正直に生きる選択をする。

そうして、少しずつ、「岩の上」を築いていくのです。

私の経験から

私は、長い間、「砂の上」に家を建てていたんだと思います。

仕事が基礎でした。給料が基礎でした。社会的な地位が基礎でした。その時々で、「これがあれば大丈夫」と思っていたものが、実は、すべて砂だったのです。

63歳で仕事を失い、食費月1万円の貧困に落ちた時、初めて気がつきました。

「あ、すべてが崩れ落ちた」

と。

でも、その中で、新しいものが見え始めたのです。人間関係の大切さ、毎日が生きていることへの感謝、誰かのためにできることの喜び。そしてやがて、67歳で出会った、もっと深い「人生の意味」というものが。

今、81歳の私は、その時よりもずっと「岩の上」に近い場所に立っているような気がします。給料も、肩書きもありません。でも、心は揺らがない。なぜなら、その基礎が、お金ではなく、別のところに置かれているからです。

人生の嵐は、これからもあるでしょう。でも、もう、怖くない。岩の上に家を建てたから。

あなたへの願い

あなたの人生は、今、何の上に建てられていますか?

もし、それが砂の上なら、今からでも、岩を探してください。

その岩を見つけた時、あなたの人生は、大きく変わります。

どんな嵐が来ても、その心は揺るがないようになるのです。

今日、考えてみてください

もし、今、あなたの人生に大きな嵐が来たなら、あなたは大丈夫ですか?そして、あなたの人生の基礎は、本当に堅いものですか?

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