あなたも感じたことありませんか?
今日、何か感謝することがありましたか?
多くの人は、その問いに、すぐには答えられません。
「感謝?今日は、いつもと同じ日だった」
「特に、感謝することはないかな」
そう思うのです。
なぜなら、私たちは、つい「大きなこと」だけを、感謝の対象として考えてしまうからです。
「昇進した」「恋人ができた」「病気が治った」
そうした「人生の大きな変化」があった時だけ、「ああ、感謝しないといけないな」と思うのです。
でも、その「大きなこと」が、いつ起きるでしょう?
多くの人にとって、人生の大半は、「特に何もない日」です。同じことの繰り返し。何も変わらない日々。
そうした中で、「感謝することがない」と思いながら、時を過ごしているのではないでしょうか?
でも、実は、そこに、大切なものを見落としているのではないでしょうか?
朝、目が覚めた。温かいお茶が飲めた。友人からメッセージが来た。風が気持ち良かった。
そうした「小さなこと」の中に、実は、人生の大切な要素が、詰まっているのです。
もし、そうだとしたら…
「大きなこと」だけに感謝するのではなく、「小さなこと」に感謝することで、何が変わるでしょう?
そして、毎日、「小さな感謝」を見つけることは、本当にできるのでしょうか?
古い書物の言葉
古代の知恵の書に、こんな言葉があります。
「いつも喜びなさい。絶え間なく祈りなさい。すべてのことについて、感謝しなさい。」(1テサロニケ5:16-18)
二千年前に書かれたこの言葉は、非常にシンプルですが、非常に強力なメッセージを持っています。
「いつも喜びなさい」
これは、「常に幸せでいろ」という非現実的なことを言っているのではなく、「どんな状況の中にも、喜ぶべき要素がある」ということなのです。
「絶え間なく祈りなさい」
ここでの「祈り」というのは、宗教的な儀式ではなく、もっと広く「自分の思いや願いを、心の中で整理する」ということと理解できます。
「すべてのことについて、感謝しなさい」
ここが、この言葉の最も大切な部分です。
「すべてのこと」——それは、良いことだけではなく、辛いことも、つまらないことも、すべてについて、感謝しなさいということなのです。
なぜなら、どんな経験も、私たちを成長させ、学ばせてくれるからです。
古代のユダヤ人にとって、「感謝する」ということは、非常に重要な実践でした。なぜなら、感謝することで、足りないものではなく、今あるもの(豊かさ)に気づき始めるからです。
多くの人は、「足りないもの」から見ています。だから、いつも不足感に苛まれます。
でも、感謝する人は、「ある」ものから見ています。だから、心が満たされるのです。
言い換えれば、「小さな感謝」の習慣が、人生全体の見方を変える、ということなのです。
今、できること
では、具体的に、「小さな感謝」をどのように見つけ、どのように実践していくのでしょう?
まず、毎朝、目が覚めたら、一つのことをしてみてください。
「今日、感謝することを、一つ見つけてみよう」
それは、前の日から決めるのではなく、その日、その時に、見つけるのです。
目が覚めた時の光の入り方。温かいお茶。着ることができる服。そうした「当たり前のこと」を、意識的に、感謝の対象にしてみるのです。
次に、その日中、何か良いことが起きたら、その瞬間に、ちょっと立ち止まってみてください。
「ああ、これは、感謝すべきことだな」
その「立ち止まる」という行為が、大切なのです。
毎日、流れるように生きていると、その「良いこと」さえ、見落としてしまいます。でも、意識的に立ち止まって、「あ、これは感謝だ」と認識する。
その認識が、心に、深く刻まれるのです。
さらに、夜、寝る前に、その日の「小さな感謝」を、思い出してみてください。
朝日が気持ち良かった。友人が笑った。仕事がうまくいった。誰かが親切にしてくれた。
そうした「小さなこと」を、一つずつ思い出して、「ありがとうございました」と、心の中で言う。
その習慣が、やがて、あなたの心全体を、「感謝モード」へと変えていくのです。
私の経験から
私は、63歳でうつ病になり、食費月1万円の貧困に落ちた時、「感謝することなんて、ない」と思っていました。
給料もない、健康もない、将来もない。
そんな中で、「何に感謝すればいいのか」と、途方に暮れていたのです。
でも、ある日、友人が、温かい味噌汁をくれました。
その瞬間、初めて、「ああ、これに感謝しよう」と、思ったのです。
「当たり前だ」と思っていた、友人の優しさ。その「当たり前」が、実は、「奇跡」だったんだと、気がついたのです。
そこから、毎日、小さな感謝を見つける習慣が、始まりました。
朝日、友人の言葉、温かいお茶、誰かの優しさ。
そうした「小さなこと」の積み重ねが、いつの間にか、私の心全体を変えていったのです。
今、81歳の私は、毎日、小さな感謝で満ちています。
給料も、大きな成功も、ありません。でも、心は、豊かです。
なぜなら、「感謝」を習慣にしたからです。
あなたへの願い
もし、あなたが今、人生に感謝することが、ないと思っているなら、ぜひ、「小さな感謝」を探してみてください。
それは、「大きなこと」ではなく、「小さなこと」で構いません。
むしろ、その「小さなこと」の中に、本当に大切なものが、詰まっているのです。
その習慣が、あなたの人生全体を、豊かに変えるでしょう。
今日、考えてみてください
今日、あなたは、何に感謝できましたか?そして、明日、「小さな感謝」を、一つ見つけることはできますか?


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