平安が支配する心

日々の気づき

コロサイ3:15-17


【1】あなたも感じたことありませんか?

心が揺れ動く日々を送っていませんか。

朝は希望を感じていても、夕方には不安に囲まれている。仕事で一つの課題を解決しても、すぐに別の問題が押し寄せてくる。人間関係で気を使い続けて、心が疲れてしまう。そうした時に、私たちの心は「不安定な状態」に陥ります。

さらに、その不安定さを自分でコントロールしようとします。「もっと頑張ろう」「もっと気をつけよう」「もっと完璧であろう」。けれども、そのコントロール自体が、心をより一層疲れさせてしまうのです。

本当は、私たちが求めているのは「安心」です。心の底からの「平安」です。けれども、それをどこに求めたらいいのか、分からないままなのです。


【2】もし、そうだとしたら……

もし、そのような「心の平安」が、実は「与えられるもの」だったらどうでしょう。

つまり、自分でコントロールするのではなく、何か「より大きな力」に身を委ねることで、初めて心が落ち着く、そんなことがあったとしたら。

古い聖書の中に、そのための教えがあります。


【3】古い書物の言葉

「また、キリストの平安があなたがたの心を支配するようにしなさい。あなたがたはこの平安を得るために、一つのからだの中に召されたのである。感謝の気持ちを忘れるな」(コロサイ3:15-17)

この言葉は、とてもシンプルです。「平安があなたがたの心を支配する」と言っています。

つまり、「あなたが心をコントロールする」のではなく、「平安があなたの心を支配する」という反転です。支配という言葉は強いですが、ここでは「導く」「満たす」という意味に近いです。

加えて、「この平安を得るために、一つのからだの中に召されたのである」という言葉に注目してください。平安は「個人的な問題」ではなく、「共同体の中」で得られるものだと言っています。つまり、他者との関係の中で、初めて本当の平安が生まれるということです。

そして最後に「感謝の気持ちを忘れるな」と言っています。感謝とは、「すでに与えられたものを認識すること」です。心が揺れている時でも、今「ここにあるもの」に目を向け、感謝する。その時に、平安は静かに訪れるのです。


【4】今、できること

では、私たちはこの教えを、日常でどのように活かすことができるでしょうか。

まず一つ目は、心が揺れている時に「もっと頑張る」のではなく、「一呼吸置く」という習慣です。不安を感じた時に、すぐに行動するのではなく、その不安を「眺める」という作業をしてみます。「今、私は何に不安を感じているのか」と問い返す。そして、その不安を少しの間、抱えたまま、静かにしているのです。この『不安から平安へ』という変化は、『不安から平安へ』というテーマでも詳しく解説しています

次に大切なのは「感謝の習慣」です。朝、起床した時に「今日も生きている」ことに感謝する。一杯のお茶を飲む時に「温かさ」に感謝する。誰かに親切にされた時に、その行為に感謝する。こうした「小さな感謝」の積み重ねが、心に静かな満足感をもたらします。

加えて、人間関係の中で「受け取ること」を学ぶことです。与えることばかりに目を向けるのではなく、他者からの親切を素直に受け取る。その時に、人は「自分は一人ではない」という実感を得られるのです。


【5】私の経験から

私は63歳でうつ病になったとき、完全な孤立の中にいました。

妻は1990年にすでに他界していました。子どもたちも独立して別の場所にいました。職場でも、ほぼ誰とも話さない日が続きました。本当の意味で「孤立」していたのです。その孤立が、うつ病の苦しさをさらに深刻にしていました。

毎日、不安が訪れます。夜は眠れません。朝も目覚めると、すぐに不安が押し寄せてきます。その時、私がしていたことは「もっと頑張る」でした。けれども、その努力が、逆に自分を追い詰めていたのです。

やがて、私は「頑張るのをやめた」のです。医師からも「何もしなくていい」と言われました。その時、初めて心が少し落ち着いたのです。

その孤立した日常の中でも、小さなものに感謝することを学びました。一杯のお茶の温かさ、朝日が窓から差し込む光、ほんの小さな喜びを感じることで、やがて「今、ここにあるもの」に気づき始めたのです。完璧な回復ではなく、「小さな改善」の積み重ねでした。

その後、私が67歳で信仰を持つようになった時、この「平安が支配する」という言葉の意味が、より深く理解できたのです。孤立の中でも、なお「平安」を見つけることができる。その不思議な力を知ったのです。


【6】あなたへの願い

もし、あなたの心が今、揺れ動いているなら、まずはその揺れを「悪いもの」だと思わないでください。

揺れることは、人間らしい反応です。けれども、その揺れの中で「感謝できるもの」を探してみてください。朝日、温かい飲み物、誰かの優しい言葉、あるいは、生きていることそのもの。

そうした「小さな感謝」の積み重ねが、やがて「平安」へとつながっていくのです。


【7】今日、考えてみてください

今日の生活の中で、あなたは何に感謝できますか。

その感謝は、あなたの心に、どのような変化をもたらすでしょうか。

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